True colors

とある海辺の町に暮らす女子高校生と始めた文通。

八通目、Yuukaちゃんへ。

あっという間にひと月です。

前にお返事をくれたのが5月16日。その後少しして、私はイタリアのトリノへ飛んで、帰って来て、あちこちでまた歌って、今日はもう6月の17日です。

 

トリノからの葉書が届いたと聞いて、よかった。そのことをメールで聞いてしまうのはもったいないなとも思いましたが、不安なんだよね。ちゃんと自分のメッセージが相手に伝わったかどうかということはいつも誰だって。

 

君が8通目のこの文通で

「私は時々信じることを忘れてしまうのかもしれない」と書いていたことが、私はとても気になっていました。だから、あえてこのごろは、メールや電話をあまりしないようにしました。

 

自分も、ボールをたくさん投げるから。

よくわかるのです。

 

私の心に起きている不安や、寂しさや、そういういろんなことを、あなたは分かってくれているだろうか。と、その相手が自分の心にとって大切な相手であればあるほどに、ひとりでぐるぐると抱え込んで、苦しさのあまりに強く、返事を求めてしまうことが ある。

 

でも

こんなに大きな世界の中で

私達は出逢えたのだから。

 

 

例えばこのまま離ればなれになってしまったとしても

そんなに大きな問題じゃない

 

のだと 思う。

 

なかなか難しいことだけれども。

 

そうは言っても、

もちろんいろんなことはやりましょう。

連絡し合わなくちゃいけないことも、具体的にいっぱいある。

ただ、大きな信頼に関していえば
そう不安にならなくても大丈夫だよ

と いうこと。

 

簡単に繋がる方法が増えた今だから、特に、例えば君という存在に関して言えば

たくさんの対話をしたいと思う反面

信じて離れることも掴んで欲しいと思っている。

 

何故私が唄を作るかといえば、それは

私が私の大事な人達を失くした時にそれでも歩けるようにということがひとつ。

もうひとつは、私を強く必要としてくれていた人達が、私なしで歩いていける道具として、もしくは、それぞれの人がそれぞれの大事な人を失くした時、歩けるように

 

作っている。

 

失うことを前提に生きることは、前向きじゃないと言われるかもしれない。

でも、それはいつか訪れることだから。

 

寂しがり屋の私は、大切な人を失う度に

うずくまってしまう弱い自分を知っている。

 

でも歩き続けなくちゃいけないってことも

知っている。