True colors

とある海辺の町に暮らす女子高校生と始めた文通。

七通目、Yuukaちゃんへ。

君が送ってくれた津奈木町のみかんのジュースを飲んでいます。

元気ですか?

手紙はもちろん届きました。読みました。

そのお返事を書こうと思って、毎日葉書を手帳に挟んでいるので、メールのお返事は書いていません。

 

きっと君はとても不安な気持ちで待っているだろうと

それはよく 分かっているから

一番簡単なことはメールであなたが質問を送ってくれた時にそのまま、その時に私が思っていることを文字にして、送ることなのだけれど

 

それで

いいのだろうか。

 

 

待つ というのは いつだってとても不安だ。

 

ボールを投げる。

返って来ない。

 

ボールはどこへいったんだろう。と、しばらく待ってみる。

返って来なくて、探しにいく。

見つからなくて日が暮れる。

 

夜になってしまった。

 

 

私は一体、誰とキャッチボールをしていたのだっけ。

何故キャッチボールをしていたのだっけ。

 

真っ暗な中で 思って

家に帰って

 

一年か、二年か、経ったある日。

小包が届く。

 

箱の中には、ボールがひとつ 入っている。

 

 

 

誰かを信じるということは、力がいる。

伝えたいことも、いっぱいある。

 

でも、けっこう

大丈夫なもんだよ。

 

ジュース、おいしかったな。

 

おやすみ。