3通目 夕海さんへ
2通目 夕海さんへ
二通目。Yuukaちゃんへ
こんばんは。今日の東京は雨です。朝は、雪だったそうな。
私は、うっかり大失敗をやらかしました。あまりのショックに、お陰で、昨日から風邪をひき始めて頭痛と吐き気で眠っていたのですが、一気にすっ飛びました。病は気からなのだろうか。明日の録音には体がきりりと引き締まりそうです。(今、新しい音源の録音作業をしています。)
一昨年、特定秘密保護法案という新しい法律が可決した辺りから、私はずうっと大きなこの国の変化に焦っていて、近くの大切なことを置き去りにし過ぎている気がします。
例えばあなたとのこと。
『赤崎水曜日郵便局』の歌を一緒に作ろう、と約束をしてもう半年くらいになりますが、発表は来月に迫っているのに、まだまだしっかりと形を起こせていない。君から送ってもらっている言葉達を、まだ整理しきれていない。いい歌を作ろうと大事にし過ぎて、かえってまた、置き去りにしていると感じる。
大事なひとや、ものと、丁寧に向き合って、ちゃんと大事にしたい。という想いは、私を支えるもっとも大きな原動力です。私の歌はいつもそこから生まれてくる。
だから、来週熊本に行ってからは、少し落ちついて話をしようね。結局のところ締め切り間際の制作になってしまったけれども、集中して、素敵な歌を一緒に生み出したいと思っています。
夕海
一通目。Yuukaちゃんへ
さて、やっと始めようか。
随分待たせてしまった。ごめんよ。
今日はもう2月15日。今、このブログをどういう風に進めていこうか、電話で君と相談をした。君は、私がどんな風に一通目を始めるだろうと、今私の住んでいる東京からはずっと遠い熊本のあの町の君の家の君の部屋で、もうこんな夜更けに多分、どきどきしながら待っていてくれている。
こんな風にして私が記事を書く。あなたがお返事を書いてくれる。
綴られてゆくのは二人のやり取りであって、そうではない。
このページを見てくれる人の多くは、私を知らない。
あなたのことも。
だから、始めよう。
不思議に思うこと、美しく思うこと、おかしいと思うこと、忘れたくなかったこと。
別々の場所で、違う時間を生きて来た同士で、お話しよう。
少しずつ。
それらはきっといつの日か、みんな歌になる。
始めよう。
夕海